135 反撃、二著者白川華怜(2/2)_3

後ろ髪には黒い木の簪が差してあり、髪は全て上げられ、すらりとした首筋が露わになっていた。

彼女はUSBメモリを持って上がり、かがんで彼らのグループのパワーポイントを開いた。

発表者は白川華怜で、専門用語をより理解しているのは彼女だけだったからだ。パワーポイントは大野旭が作成し、白川華怜は事前に何度も確認していた。

その途中。

浪川輝明は大野旭を一瞥し、白川華怜たちを皮肉な目で見た。

大野旭は冷たく浪川輝明を睨み返した。

松木皆斗は少し不信感を抱いていた。これは幼い頃から白川華怜に対して持っていた疑念だった。「彼女に発表させて、本当に大丈夫なのか?」

彼がそう言うと、白川華怜のことをよく知らない大野旭たちも空沢康利に小声で尋ねた。「そうだよね、さっき本田直哉の声も震えていたのに、彼女は大丈夫なの?」