145 ババアに叩きのめされたロイヤルストレートフラッシュ(2)

その顔を、彼が間違えるはずがない!

水島御剣はお茶を持つ手が震え、レースのテーブルクロスにお茶をこぼしてしまった。

彼は「バッ」と立ち上がり、「あ、あなたがなぜここに…」

安藤宗次と話していた田中局長も立ち上がった。

木村翼は水島亜美の隣に座り、白川華怜は木村翼の隣に、木村浩は白川華怜の隣に座った。彼は物憂げに椅子を引き、安藤宗次に挨拶をしてから、二人に目をやって「座れ」と言った。

彼はテーブルを軽く叩いた。

田中局長と水島御剣はようやく慎重に座った。田中局長はまだましだったが、水島御剣は今やお茶も飲めないほどだった。

木村浩は公の場に姿を見せず、その身分も極秘状態にあり、彼を知る人は確かに少なかったが、水島御剣は田中家で会ったことがあった。

渡辺泉は田中局長と水島御剣の態度を見て、木村浩の身分が並大抵のものではないと推測したが、自分の知る人物とは一致しなかった。

彼は思いを収め、安藤宗次に「式が始まりますよ」と告げた。

安藤宗次は煙管を置き、服を整えて渡辺泉と共に舞台裏へ向かった。

彼はこの後、安藤蘭を渡辺泉に託すのだ。

安藤宗次が去ると、田中局長と水島御剣は話す勇気もなく、空沢康利は木村浩の隣に座る勇気がなく、畑野景明を座らせ、自身は水島御剣の隣に座った。

水島亜美はこの時やっとポケットから二つの果物を取り出し、一つを白川華怜に、もう一つを木村翼に渡した。

「これは何?」白川華怜は小さな緑色の果物を見つめた。

「ミニキウイフルーツというらしいわ」水島亜美は白川華怜も食べたことがないだろうと思い、「ホテルのスタッフに聞いて初めて知ったの。とても甘いのよ」

木村翼は頭を下げて一口かじった。

何も言わなかった。

白川華怜はキウイフルーツは知っていたが、ミニキウイフルーツは本当に初めてだった。彼女は概要をテーブルに置き、食べながら水島亜美にこのキウイフルーツの味を説明した。

白川華怜も気に入ったのを見て、水島亜美はようやく笑顔を見せた。

向かい側で、田中局長はようやく白川華怜と話す機会を見つけ、「伊藤さんから聞きましたが、イメージキャラクターは白鳥春姫に決まったそうですね?この販促で後続の展開は大丈夫でしょうか?」

養生膏の代言人の話だった。