139素面の姉さん、渡辺文寺にチケットを届ける(2更)

「彼女が数学で満点?」松木皆斗の頭の中が一瞬で爆発した。

ずっと不思議に思っていたことがようやく説明がついた。

なるほど、白川華怜があの時、陽城市で彼に言った枠のことを気にしていなかったわけだ。

なるほど、彼が博源塾で彼女を見かけた理由も。

中間テスト以来、彼の頭上にのしかかり、ほとんどトラウマとなっていた数学の満点は……

白川華怜だったのか?

空沢康利と畑野景明が陽城第一高校の生徒だということは知っていた。今やっとある点に気づき、机に手をついて立ち上がった。「つまり、前回の統一テストで数学150点だったのは彼女?じゃあ今回の数学と理科総合は?」

塾で畑野景明とも話したことがあり、相手は数学も物理もよくできる、特に物理が得意だった。

だから松木皆斗はずっとその150点は畑野景明のものだと思っていた。