田中局長は安藤宗次と話をしていて、安藤秀秋は渡辺助手にお礼を言った。「渡辺さん、わざわざありがとうございます」
渡辺泉は今回、安藤家を丁重にもてなそうと思っていた。
しかし、機会が見つからず、帰る時期が近づいていた。渡辺文寺が博物館を案内した一回だけで、今日は特別に渡辺助手に迎えに来てもらった。
渡辺助手は真剣な表情で、「そんなことを仰らないでください」
「おじさん、明後日誰かと一緒に飲みましょう」田中局長は魚籠から大きな魚を取り出し、安藤宗次の方に置いた。「帰ったら火鍋にできますよ」
今日の午後は釣れた魚が少なく、田中局長が釣った魚のほとんどは小さかったので放流した。
この二匹の大きな魚は、一匹を安藤宗次に、もう一匹は田中家に持ち帰ることにした。
正月期間中、田中局長も多くは飲めないので、誰かに安藤宗次と一緒に飲んでもらおうと考えていた。