「書道協会ね」白川華怜はシートベルトを締め、背もたれに寄りかかりながら、車内のBluetoothを開いて、いつものように英語のリスニング教材を流し始めた。
藤野悟志はまだ帰っておらず、加藤正則も書道協会にいた。
彼女は二人に新年の挨拶をしに書道協会へ向かった。
木村浩は車を発進させながら「ああ、ちょうど道順だ」と言った。
車はすぐに書道協会に到着し、木村浩は入り口に車を停め、白川華怜を降ろした。彼はハンドルに腕を乗せ、ゆっくりと「明日からは暇になる」と言った。
木村浩は年末年始に戻ってきたばかりで、研究室には彼を待つ仕事が山積みだった。
今日のミーティングが終われば数日休めるはずだ。
白川華怜は車のドアを閉め、彼に向かってOKサインを作り「じゃあ明日は図書館に時間通りに行きます」と言った。