151しかし彼女の先生は本田徳厚(2)_2

「書道協会ね」白川華怜はシートベルトを締め、背もたれに寄りかかりながら、車内のBluetoothを開いて、いつものように英語のリスニング教材を流し始めた。

藤野悟志はまだ帰っておらず、加藤正則も書道協会にいた。

彼女は二人に新年の挨拶をしに書道協会へ向かった。

木村浩は車を発進させながら「ああ、ちょうど道順だ」と言った。

車はすぐに書道協会に到着し、木村浩は入り口に車を停め、白川華怜を降ろした。彼はハンドルに腕を乗せ、ゆっくりと「明日からは暇になる」と言った。

木村浩は年末年始に戻ってきたばかりで、研究室には彼を待つ仕事が山積みだった。

今日のミーティングが終われば数日休めるはずだ。

白川華怜は車のドアを閉め、彼に向かってOKサインを作り「じゃあ明日は図書館に時間通りに行きます」と言った。

彼女は彼が車で去るのを見送った。

車が交差点でゆっくりと消えていくのを見届けてから、彼女は書道協会に入った。

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数人の年配者たちはすでに早くから書道協会に来ていた。

お正月なので、書道協会の中には赤い提灯が飾られ、とても賑やかだった。白川華怜が入ってきた時には、すでに二人の子供が中庭で書道の練習を始めていた。

藤野悟志は白川華怜を見て、笑顔で新年の挨拶をした。

二人の子供も白川華怜を知っていて、木村浩がいない時は特に明るく白川華怜に新年の挨拶をした。

白川華怜はいつも両方のポケットにお菓子を入れていて、それを二人の子供に渡しながら、藤野悟志に「明日は第一中学校近くの図書館に行きます」と言った。

「明日?」藤野悟志は少し驚いた様子だった。

白川華怜は少し首を傾げ、眉を上げて「用事があるなら先に行かなくても大丈夫です。急ぎませんから」と言った。

大学院入試までまだ時間はある。

「特に用事はないです」藤野悟志は少し考えて「明日図書館であなたに会いに行きます」と言った。

白川華怜は二人の子供の書道の練習を見ながら「いいですね、大学院の参考書を持ってきてください」と言った。

書道協会の中庭もそれなりに広く、縦横とも十メートルほどあり、左側には十数個の小さな机が並べられ、両側には四本の大きな木が植えられていた。正面は大門で、他の三面は建物になっており、門の正面が会議室だった。