154 驚愕の藤野悟志、東区を燃え上がらせる_3

二胡の音が雲翔まで響き渡った。

東区全体が沸き立った。

若者たちの目が輝いた。これは『セクシーラブ』じゃないか?

伝統楽器の二胡でもこんな曲が弾けるなんて?!

その場に専門家はほとんどいなかったが、この二胡の味わいが素晴らしく、軽快でありながら少し艶っぽい感じが、この真面目で厳格そうなお爺さんとは全く似合わない。

瞬く間に、元々それほど人が集まっていなかったステージに、二胡の音に誘われて大勢の人々が集まってきた。

数え切れないほどの人々が動画を撮影し、ステージは身動きが取れないほどの人で埋め尽くされた。

宮山小町が来た時、藤野院長は彼女に助けを求めていた。彼女は何とか藤野院長を人混みから引っ張り出し、白川華怜が持ってきたタピオカミルクティーを渡した。

二人は大きな青いゴミ箱の後ろにこっそり座り込んでタピオカミルクティーを飲んだ。