168期初試験、稀に見る天才_3

「会社のコンサルタントの件なんだけど」松本章文は渡辺颯が白川華怜を避けようとしない様子を見て、直接切り出した。「黄原教授に相談したいと思って...」

白川華怜は聞く気がなさそうで、渡辺颯に手を振った。「ありがとう」

そして山田家の方向へ向かって歩き出した。

白川華怜が去った後、渡辺颯はバイクに跨がり、松本章文を見上げて腕を組んだ。「じゃあ、私に相談しても無駄だよ。確かに江渡大学出身だけど、後に経済学部に転向したから。木村さんに相談してみたら?」

松本章文の隣にいた松本和也は「...」

誰が相談できるというのか?

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団地のある通り。

島田のお母さんはすぐに現在の夫から電話を受けた。電話の向こうから皮肉な声が聞こえた。「お前、あの子にお金をやったのか?息子の結婚資金のことを忘れるなよ」