175 背景は誰？上手く狙われた（2/2）

数ヶ月前と比べて、今の白鳥春姫はすでに威厳を帯びていた。

森園雄は入ってきた途端、白鳥春姫を見て顔を赤らめ、言葉も出なかった。

この時、宮山小町たちと一緒に座っているだけだった。

白川華怜と木村浩が到着した時、白鳥春姫がドアを開けた。彼女は遠山貴雲に従って二人を呼んだ。「白川さん、木村坊ちゃま。」

最後の視線は木村翼に向けられた。

「とりちゃん」宮山小町は白鳥春姫が話す前に立ち上がり、木村翼に手を振った。「ここに座って。」

木村翼は不本意そうに歩み寄った。

木村浩が入ると、個室の雰囲気が静かになった。

彼は木村翼の隣に座り、白川華怜が彼の隣に、そして白鳥春姫が白川華怜の隣に座った。丸テーブルがちょうど囲めるサイズだった。

宮山小町は取り箸で肉を一つ取り、突然口を開いた。「しばらくしたら良い人が出てきたら、座れなくなるわね。」

「とりちゃんを外せばいいよ。」森園雄が提案した。

宮山小町の目が輝いた。「その通りね。」

木村翼：「……」

木村浩は木村翼をちらりと見て、機嫌が良さそうだった。

彼は白川華怜の隣に座り、うつむいてスマートフォンを見ていた。冷たい雰囲気を漂わせていたが、他人の邪魔はせず、クラスメートたちは徐々に大胆になっていった。

白川華怜は白鳥春姫と話をしていた。

「『大永』の撮影は終わって、今は後処理の吹き替えをしているところです」白鳥春姫は少し残念そうに言った。「私のセリフの基礎力が足りなくて。」

白川華怜は頭を下げ、お茶を一杯飲んだ。彼女の声は緩やかだった。「民安監督があなたの演技は良かったと言っていたわ。」

白川華怜の言葉を聞いて、白鳥春姫は思わず首を傾げ、真剣に白川華怜を観察した。民安監督が彼女に言った言葉を思い出した——

「あなたの友達のことですが、彼女の気質はとても特別です。演技で行き詰まったら、あなたの友達のことを考えてみてください。もし彼女が学生でなく、芸能界の人間だったら、私は彼女が原作から飛び出してきた白川お嬢様だと思います。」

「もし彼女が演じる気があったら、あなたの出る幕はないでしょうね。」

白鳥春姫はその時まだ白川お嬢様の人生経験を知らず、キャラクター設定も研究していなかった。