187 普通の弁護士が神様に加わった(2)_2

鈴村景塚と言えば知らない人はいないほどの実力と名声の持ち主で、江渡法科大学卒業の本物のエリートだ。

比べものにならないでしょう?

「その通りですね」監督は頷き、小部屋に戻ってモニターを見た。「しかし、この遠山弁護士は他の人よりもリラックスしているんですよね。本当に不思議です……」

彼には理解できなかった。

『友よ來たれ』はすでに第三シーズンを迎え、多くのゲストが自分の業界外の友人を招いてきたが、カメラの前で多かれ少なかれ緊張したり、気取ったりするものだった……

今日のように和やかでリラックスした雰囲気は、中田監督も初めて見るものだった。

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室内。

遠山貴雲はキッチンから炒め物の音が聞こえてきたのを耳にし、キッチンの方を見やりながら、ケーキをテーブルに置き、書類の入った封筒を白川華怜に渡した。「時間があったら見てください」

そう言いながら、袖をまくり上げてキッチンへ向かった。

梅田行長はジャガイモを千切りにしていた。

彼は料理の経験があり、一般人の中では料理の腕前は良い方で、切ったジャガイモも悪くはなかった。少なくとも白鳥春姫よりは上手だった。

遠山貴雲は大きなジャガイモの塊を嫌そうに見て、梅田行長の方を向いて言った。「家の梁が足りないのかい?」

野菜を洗っていた白鳥春姫が振り返り、とても敬意を込めて「遠山律夫さん、いらっしゃいました」

少し考えてから、梅田行長の弁解をした。「梅田先生は料理が上手なんです」

「理論上は誰でもできますよ」遠山貴雲は的確に評した。

うん、理論上は。

周知の通り、遠山貴雲は木村坊ちゃまの配下だった。

悪竹に悪笋。

梅田行長は黒いエプロンを着け、手には包丁を持っていた。遠山貴雲は彼を一瞥し、「包丁を私に渡して、二人は野菜を洗っていればいい」

嫌悪感を全く隠そうとしなかった。

梅田行長は業界内外で地位が高く、このような評価をされることは稀だった。彼は1分かけて遠山貴雲の意図を理解した。

ジャガイモを梁として使えるほど太く切ったという意味だった。

梅田行長:「……」

彼は黙って横に退き、遠山貴雲が手慣れた様子で包丁を回し、まな板の上で切り始めるのを見ていた。彼の切るジャガイモの千切りは極めて細かった。