やはり白川華怜が尋ねたことなので、監督は思わずもう一言聞いてみた。
白川華怜は携帯を手に持ったまま、少し考えて、「遠山律夫さんは、弁護士です」と答えた。
「弁護士ですか」監督はほっとした。弁護士なら法律を守る人だから、予期せぬ事態は起こらないだろう。「ようこそ。カメラに映っても大丈夫ですか?」
彼はこの件を思い出した。これは白川華怜と白鳥春姫の共通の友人のはずだ。白川華怜に良い顔をしようと思い、「後で紹介テロップを入れますよ。これも有名になるチャンスです」と言った。
順子さんは口角を少し引きつらせ、思わず監督を見つめた。
白川華怜は電話をまだ切らずに、電話の向こうに小声で一言尋ねた。
遠山貴雲はそれについて無関心で、タピオカ店の店員に火の番を頼んでいた。「どちらでも」
彼の了承を得て、白川華怜は監督にそう伝え、大広間に戻った。宮山小町はユリの花を整理して脇に置き、森園雄は部屋の植木鉢を並べ、畑野景明はようやくアプリの問題を一問解き終えた。
そして白川華怜と最大値について議論していた。森園雄は二人が熱心に議論しているのを見て、思わず問題を覗きに行ったが、呆然とした表情で離れていった。
宮山小町は携帯で二つの花を撮影していたが、森園雄の様子を見て自分も問題を見に行き、そして黙って離れていった。
部屋にはカメラマン一人だけで、しばらくキッチンを撮影した後、イヤホンから監督の声が聞こえた。「白川さんと彼女の同級生が何をしているか撮ってみて?どんな問題を解いているの?」
監督は非常に興味を持った。畑野景明はほとんど無表情だったが、この時だけは表情が変わっていたからだ。
カメラマンは昨晩と同じ人で、慎重に白川華怜と畑野景明の顔を避けて、二人の携帯を撮影した。
監督と梅田行長のマネージャーは画面を覗き込んだ。
画面には畑野景明の携帯が映っていた。彼の携帯はブランド物ではなく、黒色で、中古店で自作されたような、市場にある既存のブランドとは異なるものだった。
携帯の画面にはアプリの問題が表示されており、横にはNO14畑野景明と表示され、中央には長い問題文があった。真空中の負電荷を持つ小球に、波長280nmの紫外線を照射した時の光電子数を求めよ?紫外線を長時間照射して電位を求めよ……?
これは一体どんな問題なんだ?