190蔹離が互いに抑制し合う、望月家の真の天才_2

彼は9999という値段を見つめる視線があまりにも露骨だった。

白川華怜は携帯で彼の腕を軽くつついて、だらけた様子で警告した。「買ってみたら?」

木村浩は非常に苦労して視線を外した。

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白川華怜はテレビを買うと、すぐに持ち帰った。

安藤宗次は中庭で刺繍をしていたが、白川華怜が段ボール箱を持って入ってくるのを見た。木村浩が怠そうに彼女の後ろについてきて、腕に黒いカバンを下げていた。

「それは何?」安藤宗次は針を置いた。

「テレビよ」白川華怜はテレビをリビングに置き、左側の棚にあったタバコと雑多な電線の束、それに白菜の抱き枕を隣の椅子に移動させ、ここにテレビを置こうとした。

安藤宗次は二人の後ろについて見た。

抱き枕を部屋に持ち帰った。

以前の彼の住まいは物が少なく、鍋や食器、テーブルと椅子の他には、タバコと煙管だけだった。今やリビングには抱き枕や木村翼のパズル、それに白川華怜が拾ってきて分解した奇妙な電機や銅線が散らかっていた。