200の配達、受験勉強に専念(2)

渡辺文寺は白川華怜の字を見たことがある。

整然としながらも独自の風格があり、とても美しかった。

「そうだね、私も覚えている」渡辺泉も頷いた。

渡辺お婆さんは今回ついに驚いたように安藤蘭を見つめ、何かを考えながら尋ねた。「彼女はどんな書体を習ったの?」

安藤蘭は少し困ったような笑みを浮かべた。白川華怜は正式に書道を習ったことなどなかった。「いいえ、ただの江湖体です」

安藤蘭自身も館閣体を見たことがなかった。

江湖体?

渡辺お婆さんはあまり詳しくなかったが、格式が低いことは知っていた。興味を失い、隣に座る渡辺千月に目を向けた。「千月ちゃん、たくさん食べなさい。もうすぐ大学入試よ。プレッシャーを感じすぎないように。渡辺家の名誉のために頑張って、本家の人に認められるともっといいわね」

「お婆様、千月さんは今回の月例テストで2位でしたよ」渡辺執事が傍らで褒め称えた。

安藤蘭も優しく、そして少し誇らしげに千月を見つめた。「千月ちゃんの成績はいつも素晴らしいわ」

全国2位といえば榜眼だ。

安藤蘭は考えずにはいられなかった。もし渡辺千月が自分の娘だったら、白川明知は彼女たちをこのように扱うだろうか?

渡辺お婆さんは当然渡辺千月に非常に満足していた。「華怜も高校3年生だったわね。彼女は元気?」

白川華怜?

安藤蘭は一瞬固まった。白川華怜が江渡を離れてから、彼女とは連絡を取っていなかった。

しかし、傍らの渡辺文寺が口を開いた。「華怜は今、勉強も安定しています」

彼は夜に華怜に尋ねたばかりだった。高校3年生はプレッシャーが大きく、当時渡辺文寺のクラスメイトの一人がうつ病になってしまったため、彼は常に白川華怜と渡辺千月の学習状態を気にかけていた。

二人とも良好だった。

「それは良かった」渡辺お婆さんは頷き、それ以上は触れなかった。

彼女はただ礼儀として尋ねただけで、白川華怜の成績がどうであるかには興味がなかった。どうせ渡辺千月には及ばないのだから。

食事が終わった。

渡辺お婆さんは数珠を持って仏間へ向かい、渡辺千月の受験の成功を祈った。

渡辺千月が高校3年生になってから、彼女は毎日このようにしており、渡辺千月は渡辺家の新世代の希望だった。