200の配達、受験勉強に専念(2)_2

彼の声は苦々しかった。

以前、彼は渡辺家でも意気揚々としていて、家族の親戚たちは彼が出世して渡辺お爺さんの前に立ち、次期当主の右腕になれると思っていた。

その後、怪我が治らなかったため、父親は彼を重要視しなくなった。

彼らの家族にとって、彼はただの使い捨ての駒に過ぎなかった。

白川華怜はハンカチを広げながら、渡辺正弘の方を向いて尋ねた:「治療を受けたいですか?」

治療を受けたいか?

渡辺正弘は呆然とした。

数年前、彼は治療を考えなかったわけではない。江渡の大病院を全て回り、多くの検査を受け、採血もしたが、医師は補血強壮の薬を処方して調養するように言うだけだった。

父親は最初、様々な名医を探してくれたが、皆同じことを言った。持病は徐々に養生するしかないと。

渡辺正弘自身も落胆し、この持病は本当に根治できないことを悟った。