201 青雲直上、贈り物

白川華怜の振る舞いに、順子さんは同年代の人かと思うほどだった。

今、白川華怜が大学入試の話をするのを聞いて、彼女がまだ高校三年生で、大学入試を控えているということを初めて認識した。

順子さんは話を聞き終わると、真剣に一言だけ言った。「きっと順風満帆で、出世街道まっしぐらですよ」

電話を切ると、その場に立ち尽くした。

隣で台本を読んでいた白鳥春姫が顔を上げ、「どうしたの?」と尋ねた。

白鳥春姫は新しい時代劇のドラマに出演することになり、かつらを付けやすくするため、スモーキーブルーだった髪を黒に染め直していた。

「白川さんが新曲を藤野院長に送ったって」大野順子は我に返り、スマートフォンを置きながら白鳥春姫を見た。「それと、大学入試の準備で引きこもるそうよ。ネットでは畑野景明君が全国トップ10に入る可能性が高いって言われてるわ。春姫、覚えてる?畑野景明君がよく白川さんに問題を聞いてたでしょ」