201 青雲直上、贈り物

白川華怜の振る舞いに、順子さんは同年代の人かと思うほどだった。

今、白川華怜が大学入試の話をするのを聞いて、彼女がまだ高校三年生で、大学入試を控えているということを初めて認識した。

順子さんは話を聞き終わると、真剣に一言だけ言った。「きっと順風満帆で、出世街道まっしぐらですよ」

電話を切ると、その場に立ち尽くした。

隣で台本を読んでいた白鳥春姫が顔を上げ、「どうしたの?」と尋ねた。

白鳥春姫は新しい時代劇のドラマに出演することになり、かつらを付けやすくするため、スモーキーブルーだった髪を黒に染め直していた。

「白川さんが新曲を藤野院長に送ったって」大野順子は我に返り、スマートフォンを置きながら白鳥春姫を見た。「それと、大学入試の準備で引きこもるそうよ。ネットでは畑野景明君が全国トップ10に入る可能性が高いって言われてるわ。春姫、覚えてる?畑野景明君がよく白川さんに問題を聞いてたでしょ」

白鳥春姫は台本に手を置いたまま、「うん」と答えた。

「ということは、白川さんは彼より成績がいいかもしれないってことね...」大野順子は窓の外に目を向けた。

これまでの付き合いで、順子さんは畑野景明たちの白川華怜に対する態度をよく知っていた。

彼女や白鳥春姫と同じように、心からの尊敬だった。

畑野景明一人だけでも、ネット上では多くのスレッドで話題になっているのに、もし白川華怜も加わったら、陽城市から全国トップ10に二人の学生が出るかもしれない。

江渡なら十人出ても珍しくないが、今は陽城市だ。

砂漠で金塊を二つ見つけるくらい珍しいことだ。

大野順子は今年の大学入試は例年以上に盛り上がるだろうと思った。

「陽城市は本当に賑やかになりそうね、天才が次々と現れて」大野順子は心から感心して、ふと思い出したように「あのストロベリーアイスって知ってる?」と聞いた。

白鳥春姫は眉をひそめた。彼女はそれが最初に騒動を起こした人だと知っていた。

「この数日、彼女も話題になってるわ。アンチから白川さんの大ファンになって」大野順子も驚いた様子で「白川さんのファンクラブを作ったけど、あなたのアンチのままよ」

白鳥春姫は「...」

これは当然のことだった。白鳥春姫には代表作がなく、プロの歌手と比べると歌唱力は平凡だった。