宮山小町は横で、この瞬間を動画に収めていた。
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十六組の生徒たちが降りてきた。
彼らのクラスは四階にあり、朝来た時には十五組の卒業服を見ていなかったが、今降りてきて、女子たちはすぐに歓声を上げた。
卒業写真の撮影カメラマンは十六組の先生と立ち位置について相談していた。
十六組の二人の女子がスマートフォンを持って近づき、白川華怜の横で立ち止まった。「白川さん、一緒に写真を撮ってもいいですか?」
学校の掲示板には白川華怜の写真がたくさんあり、ほとんどが後ろ姿だった。
高校三年生の他のクラスの生徒たちは暇があれば十五組に来て、二人の受験の神様に会いに来ていた。センター試験が近づいているので、今のうちに写真を撮っておかないと、試験後には二度と会えなくなるかもしれない。
「空沢さんはまだ降りてこないの」と森園雄は散々振り回された後、やっと白川華怜の側に来て助けを求めた。「私たちと写真を撮るって言ってたじゃない?」