197 選択、神を造る_2

森園雄が話さないのを聞いて、彼は島田凜に目を向けた。白川華怜と畑野景明はまだ良かった。二人は他のことを心配する必要はなかった。

しかし島田凜は同時にアルバイトをしていた。彼女はあまりにも頑張りすぎだ。

白川華怜の隣で、島田凜は真剣にテスト用紙を書いていた。生活と大学受験のためにすべてを懸けているとき、誰も疲れを感じないものだ。

「小町、私たちの卒業服の進捗はどう?」女子生徒が宮山小町の机の前に座り、卒業服の進み具合を尋ねた。

もうすぐ学校が卒業写真の撮影を手配する。

宮山小町は携帯を取り出し、指先で画面をスライドさせて安藤宗次とのチャットを開き、彼が新しく送った写真を見せた。「このような柄で…」

女子生徒は目を輝かせ、何かを思い出した。「小町、昨夜の番組で、あれは学神と華怜さんだった?」

二人は頭を寄せ合わせ、後ろの白川華怜と島田凜の邪魔にならないよう、声を低く抑えていた。

森園雄の宣伝のおかげで、十五組の全員が『友よ來たれ』を見た。全編で高校三年生の正面は映らなかったが、背中や腕、足は映っていた。

白川華怜たちはマイクを付けていなかったが、彼女の雰囲気があまりにも特別で、彼女をよく知る人には彼女だとわかった。

宮山小町は直接答えなかったが、女子生徒は理解した。「本当にあなたたちだったのね…私が言ったでしょう、普通の高校三年生にこんな問題が解けるわけないって。」

白川華怜なら、それは不思議ではない。

彼女はほっとした。

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同時刻。

木村浩の住まい、彼は研究室に行っていた。

彼は暗号通貨に興味がなく、最先端技術のオークションか、彼が欲しい骨董品がある場合を除いて。

渡辺颯は木村浩のところで有用な情報を得られず、魚の餌を持ちながら言った。「江渡に戻らなければならないようだ。」

松本章文は頷いた。

二人の傍らで、明石真治は水面を見つめ、冷酷な顔に寒気を帯び、眉間にしわを寄せていた。

「まだあの小さな道場のことで悩んでいるのか?」渡辺颯はこの小さな道場を気にしていなかったが、明石真治を見て笑った。「世間の風当たりが収まるまで待てばいい、世論というのはそういうものだ。」