やはり――
奥田幸香は、作文の点数を除いても、県内トップ50に入れると確信していた。
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安藤宗次の小さな庭。
センター試験の成績が非公開になったと知り、彼は自分の碁盤を持って街中で五目並べの相手を探しに出かけた。
木村翼はベッドから起き上がってふらふらと歯を磨いた。
昨夜、安藤宗次は一晩中眠らず、木村翼と話し込んで、木村翼は朝の3時になってようやく眠りについた。
彼は歯を磨き、顔を洗い終えてからプラタナスの木の傍に立った。プラタナスには安藤宗次が刻んだ身長の記録があった。
木村翼は手で比べてみたが、先月の印とほとんど変わらず、まだ1.2メートルにも満たない。真っ黒な瞳で身長の線を見つめていた。
しばらくぼんやりした表情で台所に向かい、炊飯器には安藤宗次が温めておいた朝食と牛乳があった。