219 彼女の本来の位置に戻る_2

石川雄也はスマートフォンをポケットに戻し、安藤宗次が淹れたお茶を一口飲んだ。

茶の色は澄んでおり、余韻が長く続いた。

絶品だった。

飲み終わった後、庭の設えを見て、そしてまたお茶を見下ろすと、何か違和感を覚えたが、白川くんのことが気になっていたため深く考えなかった。「安藤先生、白川くんの連絡先をいただけませんか?専攻の進路について詳しく話し合いたいのですが」

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その時。

北区からの車が陽城第一高校の校門前に停まり、白川明知が後部座席から降りた。

これが彼の陽城市初訪問だった。

彼は高くない校門を見つめ、一目で中の校舎や図書館も特に目立つものではないことが分かった。外壁には歴史の痕跡が見て取れ、正門の上に掲げられた横断幕に目を移した——

【本校の白川華怜さんが全国統一試験理系で首席を獲得!】

白川当主が前から降りてきて、警備員に白川華怜の情報を尋ねていた。

この数日間、陽城第一高校を訪れる人が多く、今でも学校と記念撮影をする人がいた。

警備員は白川明知たちを見て、思わず笑みを浮かべた。「奥田先生に聞けばいいですよ。彼女は白川くんの担任です。でも今はいないと思います。明日早めに来て待つといいでしょう」

「どこに行ったんだ?」白川明知は視線を戻し、眉をひそめた。

白川当主は分厚い赤い封筒を差し出した。

「これだけは教えますが」警備員は手を頬に当て、頭を下げて神秘的に言った。「江渡大学の学長と一緒に白川くんの家に行きましたよ」

「江渡大学の学長?」

「はい」警備員はそこまでしか話さず、他の情報は一切白川家の人には教えなかった。

白川当主は重い足取りで車に戻り、再び安藤蘭に電話をかけたが、もう通じなかった。「白川明知、お前は一体何をしでかしたんだ!」

最初は安藤蘭に電話を切られ、白川華怜にブロックされたことに、白川当主はまだ多少腹を立てていた。

一族の長として、こんなに軽視されたことはなかった。以前、白川家の他のメンバーが白川圭介を迎えに行った時、鷹山月菜は彼らに対してとても礼儀正しかった。

しかし今は...江渡大学の学長が直接白川華怜を訪ねてきたと聞き、白川当主の心には後悔しか残っていなかった。

全国首席、江渡大学の学長が直接陽城市まで来る。