219 彼女の本来の位置に戻る_2

石川雄也はスマートフォンをポケットに戻し、安藤宗次が淹れたお茶を一口飲んだ。

茶の色は澄んでおり、余韻が長く続いた。

絶品だった。

飲み終わった後、庭の設えを見て、そしてまたお茶を見下ろすと、何か違和感を覚えたが、白川くんのことが気になっていたため深く考えなかった。「安藤先生、白川くんの連絡先をいただけませんか?専攻の進路について詳しく話し合いたいのですが」

**

その時。

北区からの車が陽城第一高校の校門前に停まり、白川明知が後部座席から降りた。

これが彼の陽城市初訪問だった。

彼は高くない校門を見つめ、一目で中の校舎や図書館も特に目立つものではないことが分かった。外壁には歴史の痕跡が見て取れ、正門の上に掲げられた横断幕に目を移した——

【本校の白川華怜さんが全国統一試験理系で首席を獲得!】