田中宏司は携帯を取り出して渡辺文寺に渡し、「早く、1号館と一緒に写真を撮って!」
写真を撮り終わると、田中宏司はため息をついた。
山田先輩と白川華怜の会話を聞いただけで、今年の新入生のことを心配になってきた。
「そういえば」田中宏司は何かを思い出したように渡辺文寺の肩を叩いた。「渡辺さん、君よく山田先輩と話せるね。僕なんか目を合わせる勇気もないよ。バカだと思われそうで。」
渡辺文寺は今回答えず、携帯を取り出して確認した。グループで白川華怜が二枚の紙を送ってきていた。
鏡像距離を計算するように言われていた。
「パソコン室に行こう」渡辺文寺は振り向いた。
時間が迫っていた。
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海山マンション。
宮山小町は深夜2時に水を飲みに起きた。顔を上げると、白川華怜の書斎のドア隙間から光が漏れていた。