柏木翔はずっと動かなかった。
彼の隣に座って白川華怜が報告書を書くのを待っていた先輩が催促し始めた。「会長、まだ登録が終わってないの?妹、こっちで新入生の報告書を書いてね。」
彼女は白川華怜の顔をじっと見つめながら、ペンと用紙を渡し、水が滴るように優しい声で言った。「妹、はい、この用紙に記入してね。」
白川華怜はお礼を言って、用紙とペンを受け取った。
彼女は少し身を乗り出して、基本情報を記入した。
「妹、まずLINEを交換しましょう。それから寮に行ってね。寮は梅南区の4号棟407号室よ」先輩は携帯を取り出し、白川華怜とLINEを交換することに成功した。「私は本部の2年生の青葉紗矢よ。何かあったら私に連絡してね。」
青葉紗矢が白川華怜とLINEを交換するのを見て、田上明宏も携帯を取り出したが、携帯を出した瞬間、背後から視線を感じた。