246 どの姜?慕様に出馬を頼むべきか

七階。

渡辺泉はもう警察と話し合う気力もなく、明石真治が警察を脇に呼んだ。

白川華怜の携帯が鳴り、今度はビデオ通話だった。

ランスだ。

「華怜」とランスは安藤宗次が作った服を着て、白川華怜と話していた。「私の学生の一人が悪性高熱の症例に関わったことがあるんだ」

白川華怜の母親を「素晴らしい症例だ」と褒めたため、ランスは実験室で償いの相手を探していた。

木村浩が少し頭を下げると、ランスは挨拶をした。「やあ、木村くん」

「華怜」とランスは白川華怜の背後にある江渡大学病院のマークを見て、目を輝かせた。「江渡にいるのか?」

「うん、大学に通ってるの」血液バンクがあるから、白川華怜は採血を急ぐ必要はなかった。

「今度のAI国際医療サミットは江渡で開催されるんだ...」とランスは白川華怜と話を続けた。

その時、手術室のドアが再び開いた。

麻酔科医が手を上げて手術室から出てきて、顔を少し蒼白にして現場の人々を見た。「渡辺さん、患者の体温が42度まで上がっています。お腹の赤ちゃんが...」

渡辺お婆さんは杖を握る手が震えていた。

もし白川華怜と安藤宗次がいなければ、できれば赤ちゃんを先に帝王切開できないかと言いたかった。

渡辺泉は再び中田主任医師に電話をかけ、ダントロレンについて尋ねた。「先生、もう少し頑張ってください。私たちは探しているところです...」

そのときエレベーターのドアが開いた。

白髪の老人が一歩外に踏み出し、廊下を見回して最後に木村浩に目を留めた。「木村坊ちゃま」

彼は冷気の立ち込める青い箱を手に持っていた。

麻酔科医はその白髪の老人を見て、しばらく躊躇してから思い出した。「田上院長?」

「ええ」と田上院長は麻酔科医を見て、青い箱を渡した。「まだ冷凍状態のダントロレンです。早く患者を救ってください」

麻酔科医は田上院長の手の薬箱を見て、なぜ本院の院長がここにいるのか考える暇もなく、急いで救急室に向かった。

白川華怜は目を伏せてさりげなくランスに一言告げ、手の携帯を血液バッグを運んできたばかりの看護師に渡した。「悪性高熱の研究をしている先生がいます。中に持って行ってください。役に立つかもしれません」

他の患者の家族が携帯を持って、先生が助けになると言えば、看護師は警備員を呼んで患者の家族を引きずり出すだろう。