谷部千晶は基本的に富山のクラスの二次選抜を諦めていたが、それでも白川華怜と一緒に金色講堂へ試験を受けに行った。
朝7時40分、二人は金色講堂の入り口に到着した。
空沢康利と畑野景明が彼女を待って一緒に入ろうとしていた。
白川華怜は大門の前に立ち、静かに金色講堂を見つめていた。
講堂は古風で、門楼は修繕されており、金色で書かれた四文字——
天下之師。
見覚えのある四文字は、千年の歳月を経て、何度も修繕されてきた。その力強い四文字から、書物を背負った老人が髭を撫でながら、彼女に向かってゆっくりと歩み寄ってくるような面影が垣間見えた。
この出会いと別れの感覚。
空沢康利は遠くから彼女を見つけた:「華怜さん、金色講堂は以前本田徳厚が講義をしていた場所で、伝説では院士の講座でしか開放されなかったんだ。」