木村浩は相変わらず怠惰そうに傍らに立ち、片手には白川華怜の本を持って無造作に丸めていた。少し俯いた表情は、いつものように静かだった。
彼らの集まりを邪魔することはなかった。
「特に贈るものはないんだが」空沢康利は自分の高校三年生の間違い集を山田に渡し、「ほら、これが兄貴からの遺産だ」
山田はその重い遺産を受け取った。
島田凜は新鮮な、まだ水滴の付いたユリの花を山田に手渡した。
学年一の優等生よりも冷たい前の席の人からプレゼントをもらい、山田は恐縮した。
二つのプレゼントを受け取った彼は、突然冷淡に立っている木村浩に視線を向けた。「木村さん...」
木村浩は片手をポケットに入れたまま、その言葉を聞いて薄い瞳を彼に向けた。
空沢康利は山田のこの様子に驚いた。
やはり一年間の刑務所生活を経験した人は違う、木村先生に向かって土をかけるなんて。彼は急いで山田の腕を掴んだ。「行こう行こう、この一年間どんな伝説を作ったのか、どうして数ヶ月も減刑されたのか聞かせてくれよ」
「伊井さんのおかげで」山田は笑って言った。「でも一つだけまだ分からないことがあって、彼のあれは何故...」
空沢康利は適当に言った。「気にするな、分からなくても焦る必要はない。どうせ数日したら忘れるさ」
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遠山貴雲がまだ到着していない中、若者たちはソファーに座って話をしていた。
白川華怜はソファーの一番左に座り、軽くもたれかかって足を適当に曲げていた。
ソファーが小さかったため、木村浩は彼らと一緒に詰め合わせることはせず、白川華怜の隣の肘掛けに腰掛け、右手を優雅に彼女の背後に支えていた。表情は冷たく気品があり、とても怠惰でくつろいだ姿勢だった。
白川華怜の隣には島田凜、宮山小町、畑野景明、空沢康利と続いていた。
山田は彼らの向かいの一人掛けソファーに座り、向かいの一群を見つめて困惑した様子で、「つまり、君は江渡大学で、君も江渡大学で、君も江渡大学?」
最後に視線を宮山小町に向けて、「そして君は、メディア大学?」
宮山小町は既にいくつかの事情を聞いていたので、彼を慰めた。「落ち込まないで山田くん、あなたも法政大学を目指すんでしょう?」
「ああ」山田は少し恍惚としていた。「十年...」
「何が十年?」
外からノックの音が聞こえた。