主に空沢康利と畑野景明だった。
遠山貴雲は最後尾を歩きながら、横に立っている山田を見た。看守所で初めて会った時の彼の姿が目に浮かんだ。疲れ果てて血走った目をしながらも、決して諦めない様子が今でも鮮明に覚えている。
「明日から学校に行くのか?」と遠山貴雲は彼に尋ねた。
山田は頷き、小声で遠山貴雲に聞いた。「私は今、法政大学に合格できると思いますか?」
二人はすでにホテルの外に出ていた。
太陽が雲翔ホテルとビルの隙間から斜めに差し込み、目の前の少年に朦朧とした光を纏わせていた。この一年で少年の鋭さは失われていなかった。
これほどの出来事を経験しても、山田の心の持ちようが安定しているのは、その強靭な精神力の表れだった。
遠山貴雲は少し黙った後、「私は君を信じている」と言った。