258 大佬の操作_3

一目見ただけで木場院長が出したものだとわかった。

彼はポケットに片手を入れ、白川華怜が書いた要約と結論を見て、目が洗われたような気がした。「よく書けている」

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火曜日の朝は木場院長の授業だった。

伊田晴彦たちはすっかり空沢康利と親しくなっており、朝早くからA4用紙を持って407教室に来ていた。今日は木場院長に解答を提出する日だった。

彼は特に白川華怜と空沢康利たちを入り口で待っていた。

「大野純也、問題はどうだった?」伊田晴彦は入るなり、高橋隼の隣に座っている大野純也のところへ行った。数人が小声で何かを話し合っていた。

白川華怜と伊田晴彦を見て、彼らは会話を止め、挨拶をした。

大野純也は立ち上がって説明した。「まったく手がかりがない」

伊田晴彦の表情が微かに変化した。大野純也は彼らのグループの天才だったが、ここ数日は本田直哉と空沢康利が木場院長のトポロジーの問題についての理解を共有していたのに対し、大野純也はほとんど発言していなかった。

木場院長に良い印象を残したくない人はいない。木場院長は今は確実に学生を受け入れないが、彼の推薦状一通あれば、どこへ行っても通用する。

伊田晴彦は大野純也を見つめたが、もう何も言わなかった。

金曜日。

夜7時は富山のクラスの2週間に1度の定例会と、一般公開の文献報告会だった。

富山のクラスは掲示板で話題になっていた。

多くの卒業生が富山のクラスの2週間に1度の定例会の場所を問い合わせていた。

「総合棟の講堂だよ」江渡大学の金曜日の夜はほとんど授業がなく、近藤希美と吉田実里は携帯を持って、「学校新聞の人が取材に来るし、掲示板では応援に来る人がたくさんいるみたい。私たちも応援に行こう」

彼女は特別に手作りの花を持ってきていた。

白川華怜は自分のパソコンを持って、彼女たちと一緒に講堂へ向かった。

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金融学部棟。

白井沙耶香は学生会の人々と新入生歓迎会の宣伝について話し合っていた時、松木皆斗は携帯を確認し、自習室から本を持って立ち上がった。

「どこ行くの?」白井沙耶香は携帯を持って追いかけた。

松木皆斗は小声で言った。「物理総合棟の講堂。今日は富山のクラスの公開定例会だ」

富山のクラス?

白井沙耶香は少し驚いた。白川華怜がいるクラス?