261 贈花、彼女の出番の後でまだ遊べるの?(2更)_3

渡辺颯は彼女のために車を一台残したと言った。

コーナリングの話になると、厚田千夏の表情が更に悪くなった。「もうやめたわ。おばあちゃんがうるさくて」

白川華怜は記憶を探った。記憶の中の厚田千夏についての情報は少なく、二人で北区のコーナーを攻めたり、一緒に飲んで松木皆斗の愚痴を言い合ったりしたことくらいだった。

それ以外は何もなかった。

「あなた、今真面目にしてると、本当らしく見えるわね」厚田千夏は、クラシカルな服装で静かにボックス席に座る白川華怜を見た。表情は怠惰そうで、隣にいるイケメンの少年二人は彼女に近づく勇気がないようだった。

グラスを手に持つ姿は、まるで古風な教養のある令嬢がナイトクラブに紛れ込んだような違和感があった。

厚田千夏はテーブルからタバコを一本取り出して指に挟み、隣の男性がすぐにライターを差し出した。彼女はゆっくりと煙を吐き出し、「くそ、マジやばい。うちのばあちゃんたちが好きなのは絶対こういうタイプよ。家で演じるの本当に疲れるわ」