275ただならぬ客(その3)

安藤宗次は煙管を軽く叩いて灰を落とし、さりげなく紹介した。「こちらが二番目のお爺さんだ」

白川華怜は望月哲光を見て、落ち着いた様子で「二番目のお爺さま」と声をかけた。

「ああ...」望月哲光は我に返り、普段は寡黙な彼だが、白川華怜を見て思わず質問をした。「座りなさい。お前の外祖父から聞いたが、富山のクラスにいるそうだね?」

実は、これらの話は望月哲光が既に鏑木執事から望月綾瀬について何度も聞いていたことだった。

陽城市で育ち、エリート教育を受けていないにもかかわらず、本田家の後継者よりも優れた成果を上げている。望月哲光は、自分が干渉しなければ、この若者たちはもっと遠くまで行けるかもしれないと考えていた。

「はい」白川華怜は安藤宗次の隣に座り、落ち着いて答えた。

長年事業から離れていた望月哲光だが、その目は依然として確かで、このような気概は望月綾瀬にも遠く及ばないものだと感じた。