279 強強合作、マスターレベルの編曲(その3)

伊田晴彦は溜息をつき、「やはり直弟子でないとね」と言った。

白川華怜はマントを手に持ったまま着ずに、外に停まっている車を見た。最近は夜に琴室で過ごす時間があるため、寮にはあまり戻っていなかった。

今日も戻らなかった。

運転席で、木村浩は両手をハンドルの上で重ねていた。車内の灯りに照らされ、彼の整った顔立ちがくっきりと浮かび上がり、いつものように寒色系の服装だった。

洗練された雰囲気で、とても美しかった。

白川華怜は眉を上げ、気分が良くなった。

彼女が車に乗り込むと、木村浩は指先でハンドルを軽く叩きながら、かすかに眉をひそめ、彼女が実験室から出てくる時間に不満そうだった。「一年生なのに、何でこんなに遅くまでいるんだ?」

たとえ彼の実験室でも、山田文雄たちは最近新しいプロジェクトで忙しく、今しがた実験室を出たところだった。