286人材輩出(1更)_2

「私にはできないが、私の学生ならできるかもしれない」と夏川雪は黄原玉広に言った。「彼女は一年生だけど、とても努力家で才能がある。将来、生物学界の新星になるはずだ。あと数年待ってあげてほしい」

「誰だ?お前より努力家なんているのか?」

夏川雪は家庭環境が良くなかった。黄原玉広は高校時代から彼のクラスメートで、その家庭環境を知っていた。当時、大学に行くのは容易ではなく、アルバイトをしながら勉強していた彼が、誰かを努力家だと褒めるなんて。

「島田凜だ。私の学生だ」夏川雪はお湯を沸かしながら言った。「彼女の粘り強さを見ていると...国内の将来の生物学界には、必ず彼女の名前が刻まれるだろう」

黄原玉広はソファに座って、冗談は冗談として。

しかし、夏川雪の言葉に大変驚いた。

白川華怜という一年生が彼の先生に目をかけられているのも驚きだったのに、今度はこの島田凜も、いつの間にか夏川雪に認められているとは。