289 梁体字の始祖が帰ってきた(2/2)_3

「調べてみたら、陽城書道協会の会員なのに、書道の段位が0級だって???」

「……」

四カ国交流会の注目度はそれほど高くなく、公式配信の視聴者数も数万人程度だったが、白川華怜の前回の高い人気のおかげで、多くの人が直接配信を見に来た。最後に「書道段位0級」という衝撃的な事実が明らかになり、さらに多くの観客を引き寄せた。

会場にいる多くの人々も、配信と動画を見ながら、現場を見守っていた。

望月綾瀬はカメラが殆ど白川華怜に向けられており、斎藤日奈は時々しか映らないことに気付いた。

近くにいた書道を学ぶ若者たちもこのニュースを受け取った。

望月綾瀬は一瞬固まった。「段位試験を受けていないの?」

白川華怜は書道が上手いと言っていたのに?

もちろん、今はそれが問題ではない。望月綾瀬は藤川咲夫の方を向いて、「斎藤部長と話をつけたんじゃなかったの?どうしてカメラが華怜ばかりを追っているの?」