彼女はテーブルを下ろし、パソコンを取り出してその上に置いた。
電源を入れる。
「ねえ、後輩、今回私たちをサマーキャンプに連れて行く先生って、村上主任の他に誰がいるか知ってる?」時戸若菜は白川華怜に夏のキャンプについて少し話した後、神秘的に頭を下げた。
村上主任は今回の引率担当の教師だった。
「……誰?」今朝、木村浩が彼女と一緒に空港に行ったので、白川華怜はほぼ予想がついていた。
しかし、それでも時戸若菜に合わせた。
「ほら、江渡大学の二つの研究院があるでしょ、知ってる?」時戸若菜は白川華怜が興味を示したのを見て、声を低くした。「木場院長の量子研究所の他に、もう一つ宇宙・暗黒物質研究院があって、今回の私たちの引率者は、あの人だって...」
白川華怜は指先でパソコンに触れ、動画ソフトを開いて、事前にダウンロードしておいた映画を再生した。