「綾音、どうしたの?」仁藤心春が近寄った。
「まさか、本当に弟さんと付き合うことになったの?やっと決心がついたのね!」山本綾音は仁藤心春に向かって言った。
仁藤心春は乾いた笑いを浮かべた。
「そうそう、お名前は?」山本綾音が尋ねた。
温井卿介は答えず、ただ横にいる仁藤心春の方を見つめた。
仁藤心春が紹介した。「彼は村上悠臣、卿介よ。こちらは私の友達の綾音」
「はじめまして、村上さん。私は山本綾音です。心春の大学時代の親友です!」山本綾音はにこやかに言った。「そうだ、二人とも起きたばかりで、まだ朝ご飯食べてないでしょう?ちょうど私、ちまきを持ってきたから、今から心春と一緒に温めて、朝ご飯にどう?」
そう言いながら、山本綾音は仁藤心春をキッチンに引っ張っていき、ちまきを温めながら言った。「昨夜、避妊はちゃんとした?卿介くんの遺伝子を持つ子供は絶対かわいいだろうけど、やっと再会したばかりなんだから、焦る必要はないわよ」