第47章 怒っているの?

「起訴?そこまでする必要があるの?示談で済ませればいいじゃない!」山田流真は慌てて言った。

「ふん、私たちは示談でもよかったのに、あなたのお母さんと妹さんが示談を拒否したんでしょう!」山本綾音は皮肉っぽく言った。「そうそう、あなたの新しい彼女が弁護士の知り合いがいるって言って、私たちに前科をつけようとして示談を拒否したんじゃない。示談したいなら、心春に土下座させて、自分の手を折れって言ったわよね...」

山田流真は冷や汗を流しながら、島田書雅の方を向いて「お前が母さんと妹に示談を拒否するように言ったのか?」と尋ねた。

「私...私はただアドバイスしただけよ」島田書雅は慌てて答えた。

彼女は関口豪海のような弁護士が仁藤心春の代理人になるとは思いもしなかった。

山田流真は仁藤心春の前に歩み寄り、うつむきながら「心春、今日のことはこれで終わりにしよう。母さんと妹も怪我をしたし、お互い一歩譲り合おう」と言った。