第65章 欺かれたのは誰

大和田浩翔は突然、可笑しい気持ちになった。

島田書雅が仁藤心春に及ばないのは、誰の目にも明らかなことだった!

書雅が開発したという新製品はさておき、彼女の営業部での最近の実績だけを見ても、心春とは雲泥の差があった!

「山田君、君が書雅のことを好きなのは分かる。でも、公私混同は避けてほしい。書雅が今の仕事に適しているかどうか、よく考えてほしい。後で会社に何か問題が起きてから後悔しても遅いからね」大和田浩翔は真剣な面持ちで言った。

山田流真は眉をひそめた。「浩翔、それはどういう意味だ?書雅が会社に問題を起こすとでも?友人だからって、書雅の悪口を言われるのは心外だ。彼女だって会社のために一生懸命やっているんだ!」

親友が書雅を必死に擁護する様子を見て、大和田浩翔はため息をつき、これ以上言っても無駄だと悟った。