仁藤心春も驚いた。ただの腫れだと思っていたのに!
幸い、医者が肩を正しい位置に戻してくれたので、ギプスをする必要はなく、軟膏と内服薬を処方されただけだった。
山本綾音が仁藤心春を車で送る途中、温井朝岚から電話がかかってきた。「はい、わかりました...心春を送ったら、すぐそちらに向かいます。」
「誰からの電話?」心春は何気なく尋ねた。
「温井朝岚からよ。」綾音が答えた。
心春は驚いて「彼とまだ...付き合いがあるの?」
「まあね、グラビア撮影のことで、この数日は撮影の打ち合わせで会うことが多いの。」綾音は説明した。
「グラビア?」心春は思わず息を呑んだ。「温井朝岚のグラビアを撮るの?」
「そう、実は数年前に偶然彼を助けたことがあって、その恩返しとして、私が彼のグラビアを撮ることを提案したの。でもその時は実現しなくて、今になって彼が約束を果たしたいって。」綾音は説明した。