第128章 失踪

島田書雅は顔色が青ざめ、両足がほとんど力なく、記者たちがビデオカメラやカメラを持ち上げ、次々と彼女に向かって撮影を始めた。彼女は怖くなって両手で顔を覆い、逃げ出そうとした。

山田流真は急いで島田書雅を守り、仁藤心春を睨みつけながら、「本当に卑劣だな。お前と付き合ったことが最大の後悔だ。今、本当に愛する価値のある人を見つけられて、むしろ良かったよ」と言った。

「それなら、あなたのその愛する価値のある人が、これからもずっとあなたの傍にいて、あなたを見捨てないことを願うわ」仁藤心春は皮肉っぽく唇の端を上げた。「そうそう、あなたの会社の上場は望めないでしょうね。もしかしたら、すぐに破産するかもしれないわ！」

山田流真は表情を変え、心の中でより一層憎しみを感じたが、記者たちはすでに押し寄せ、山田流真と島田書雅を完全に包囲していた。

「山田会長、今回の新製品の盗用は、川島企業を本当に破産させることになるのでしょうか？」

「今回の新製品の盗用は、あなたのアイデアですか、それとも島田書雅マネージャーのアイデアですか？」

「仁藤心春と交際中に島田書雅と関係を持っていたことについて、道徳的な問題があると思いませんか？」

島田書雅は慌てふためいて山田流真の胸に身を寄せ、山田流真は必死になってこれらの記者たちを押しのけようとした。

元々は記者をもっと集めて助けを得ようと思っていたのに、今では自分で自分の首を絞めることになってしまった！

山田流真は島田書雅を守りながら、焦りと怒りの口調で「どけ、みんなどけ！」と叫んだ。

仁藤心春は遠くからこの騒動を眺め、その場を去った。

彼女がロビーを出るとき、記者を避けて人気のない廊下に曲がると、大和田浩翔がいた。

「今日は手伝ってくれてありがとう」と彼女は大和田浩翔に言った。

今日の電子スクリーンの操作は大和田浩翔が手伝ってくれたもので、もし彼の助けがなければ、あの映像を流すのにもっと労力が必要だったかもしれない。

大和田浩翔は「僕が手伝わなくても、君は自分でできたはずだ。ただ、君のために何かしたかっただけさ。たとえ...遅すぎたけどね」と言った。

ここまで言って、大和田浩翔の顔に後悔の色が浮かんだ。

以前、心春が山田流真に裏切られた時、彼は何もしなかった。心春に同情していても、彼女のために一言も言わなかった。