第127章 クズカップルの末路

会場は一瞬にして騒然となった!

多くの人々の視線が、仁藤心春が立っている位置に向けられた!

その中には面白がって見ている目も少なくなかった。

山田流真は眉をひそめ、質問した記者を見つめた。もしその記者が自分が招待した人でなければ、仁藤心春が故意に送り込んだ妨害者ではないかと疑っただろう。

「仁藤さんは、すでに私との婚約を解消しています」と山田流真は言った。

「では、どのような理由で婚約を解消されたのでしょうか?」とその記者は重ねて尋ねた。

「それは私と仁藤さんの私事ですので、ここで皆様にお話しする必要はないと思います」と山田流真は答えた。

傍らにいた島田書雅が「流真、そんな言い方をすると誤解を招くわ。会社が困難な時期に、心春が会社を離れてGGKに転職したのに...」

島田書雅は言いかけて止めたが、明らかに仁藤心春が山田流真と苦楽を共にできなかったことを暗示し、仁藤心春が山田流真を見捨てて出世の道を選んだと、すべての汚名を仁藤心春に着せようとしていた。