彼女がコーディネートした服装を温井朝岚が着ているのを見て、山本綾音は突然、不思議な感覚に襲われた。まるで子供の頃に大好きな人形の着せ替えをしていた時のようなワクワク感だった。
この服装は彼に想像以上に似合っていた。まるで漫画のキャラクターが本から飛び出してきたかのようだった。
「似合わないかな?」彼女の長い沈黙に、彼は思わず尋ねた。
「い、いえ!」山本綾音は慌てて首を振った。「とても似合ってます!カメラで撮ってもいいですか?その…こういう服装がどんな感じか分かるように…」
「今日は君の言う通りにするよ。どうしたいか、君の好きなようにして」彼は言った。
山本綾音は突然、天から降ってきた幸運のような感覚に襲われ、急いでカメラを手に取り、温井朝岚の姿を撮影した。そして、また自分の好きな服装の組み合わせを選んで、温井朝岚に着替えてもらった。
こうして、写真を撮ったり、着替えたりを繰り返し、山本綾音は夢中になって楽しんでいた。
温井朝岚は優しい眼差しで山本綾音を見つめ、まるで彼女が嬉しそうにしているのを見て、自分も嬉しくなるかのようだった。
こんな気持ち、どれくらい久しぶりだろう…
だから、今度こそ、彼は彼女をしっかりと側に置いておくつもりだった。たとえ…手段を選ばなくても!
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川島企業の新製品発表会は週末の夜に開催され、多くの記者が招待された。島田書雅は特に華やかな装いで、1000万円相当のドレスを着て、首には5000万円相当のジュエリーを身につけていた。
仁藤心春が会場に入った時、島田書雅が宝石をふんだんにまとい、まるで女主人然とした態度でいるのが目に入った。
「なぜ来たんだ?」山田流真は部下から仁藤心春が来ていると聞かされ、急いで近寄ってきて、不機嫌そうに彼女を睨みつけた。
「それはあなたの運命の人に聞いてください。彼女が私を招待したんですから」仁藤心春はそう言って、招待状を取り出した。
もちろん、島田書雅が招待状をくれなくても、彼女には来る方法があったのだが!