第130章 冷たい心の拒絶

そのとき、車が突然停止し、ドアが開き、長身の人影が車から降りて、ゆっくりと仁藤心春の前まで歩いてきた。

絶望していた仁藤心春は、何か希望を見つけたかのように、急に顔を上げ、涙に濡れた瞳で秋山瑛真をじっと見つめた。

「瑛真!」

「そんなに急いで私に会いたかったのか?」彼は彼女を横目で見ながら言った。

彼の後ろにいた古川山は、心春を押さえつけている二人の警備員に目配せをし、二人は心春の腕を放した。

心春は前によろめきながら突っ込み、秋山瑛真の胸に頭をぶつけた。

彼は避けることなく、頭を下げて体勢を立て直した彼女を見て、「一体何があったんだ?」と尋ねた。

「悠仁を探すのを手伝ってください!」彼女は顔を上げて急いで言った。「悠仁が行方不明になったんです。クラスメイトの大和田剛志に連れて行かれた可能性があります。以前、大和田剛志はレース場で悠仁を車で轢きそうになり、警察に拘留されたこともあります。大和田剛志が悠仁を傷つけるんじゃないかと心配です!お願いです、悠仁を探してください!お願いします!」