第151章 探り合い

坂下倩乃は社長室の外にある秘書デスクの前で落ち着かない様子でいた。

仁藤心春がオフィスに入ってからしばらく経っていたが、まだ出てこないことで、坂下倩乃の心配は増すばかりだった。もし心春が何気なく話してしまい、秋山瑛真が本当の支援者が心春だったことに気付いてしまったらと不安だった!

坂下倩乃が極度の苦悩に耐えているとき、ついにオフィスのドアが開き、心春が出てきた。

坂下倩乃は突然立ち上がり、「心春、瑛真との話は終わった?」

仁藤心春は冷ややかに坂下倩乃を一瞥した。相手が秋山瑛真のことを「瑛真」と呼ぶのは、まるで秋山瑛真との関係が特別であることを暗に示しているかのようだった。

しかし、坂下倩乃と秋山瑛真の関係がどうであれ、もう自分には関係のないことだった。

彼女は契約を果たすことだけに集中すればよかった!