第195章 お姉さんの弱点は何

彼女の驚いた目を見て、温井卿介は微笑んで言った。「お姉さんは、私と同じコップで水を飲むことが気になりますか?」

「もちろん...そんなことはないわ」と彼女は答えた。ただ同じコップで水を飲むだけのこと、気にしすぎないで、昔は子供の頃、よく同じコップで水を飲んでいたじゃない?仁藤心春は心の中でそう自分に言い聞かせた。

温井卿介はもう一口飲んで、「そうそう、さっきお姉さんが私に話してくれたライオンとアリの話、本当に面白かったです。お姉さんがこんなに上手く物語を語れるなんて知りませんでした。これからもお姉さんが私にもっと物語を聞かせてくれませんか?」

「...」仁藤心春は困惑して、「あの話は...えっと、ただネットで偶然見かけただけよ」

「お姉さんはライオンが可哀想だと思いますか?」と彼は言った。「百獣の王なのに、指一本でアリを潰せるはずなのに、そんな小さな虫に苦しめられて死んでしまうなんて」