「あ……あなたがどうしてここに?」山本綾音は言葉を詰まらせながら言った。
「朝ごはんを持ってきたんだけど、あなたがまだ寝ていたから、リビングで待っていたの」温井朝岚が言った。
綾音は少し離れたダイニングテーブルの上に、確かに沢山の物が置かれているのを見た。
でも……「私がまだ寝ていることをどうして知ったの?まさか……えっと、私の寝室に入ったの?」彼女は急に緊張して尋ねた。
「すまない」彼の顔に申し訳なさそうな表情が浮かんだ。「朝、寝室のドアをノックしたんだけど、返事がなくて、何かあったかと心配になって入ってしまった。でも、寝ているのを確認したらすぐに退室したよ」
綾音は目を見開いて温井朝岚をじっと見つめた。彼は……見てしまった、朝のベッドで寝ている自分の姿を!
お母さんが言っていた、自分の寝相は……絶対に見苦しいはず。さらに悪いことに、朝は顔がむくんでいたし、えっと……その時口は開いていたのか閉じていたのか?よだれは垂らしていなかったか?