第190章 もう心配させないで

仁藤心春は後になってようやく気づいた。鼻血が出ていたのだ!

先日も鼻血を出したばかりなのに、今日もまた出てしまった。しかも卿介の前で。

心春は急いで近くにあったティッシュを取り、頭を後ろに傾けながら、ティッシュで鼻を押さえて一時的に止血しようとした。

「どうして急に鼻血が?もしかして喧嘩で鼻を怪我したの?すぐ病院に連れて行くよ!」温井卿介は慌てて言った。

「大丈夫です、私...喧嘩で鼻は怪我してません。たぶん...この二日間火が上がってるから鼻血が出たんです。前にも火が上がって鼻血が出たことがあります」心春は急いで答えた。

もし本当に病院で検査を受けたら、彼女の病気は隠しきれないだろう。

もし彼が知ったら、悠仁に彼女との適合検査を強制するのだろうか?

この世界で、彼女に残された唯一の肉親は悠仁だけだった。