第240章 後悔した人は誰

「後悔はしません」仁藤心春は躊躇なく言った。「彼を信じています。今度は私をおもちゃにしていないと」

秋山瑛真は突然大笑いし始めた。「はははは、はははは……心春、まさか温井卿介を信じるなんて。温井家の次男が最も信用できない人物だということを知らないのか?この塩浜市で、彼に背後から刺された人は一人や二人じゃない。かつて一世を風靡した大物たちでさえ、彼に裏切られて塵となった。ましてやお前なんか」

「私は彼を信じます!」心春は依然として断固として言った。「少なくとも、私が助けを求めて行き場を失った時、彼は私を助けてくれた人です。そんな彼を、どうして信じないことがありますか?」

秋山瑛真の顔色が一瞬にして蒼白になった。

「もういいです、秋山会長。手を離してください。今日はもう用事は済みましたから、帰ります」心春は言った。