三枚の写真が全て灰になると、仁藤心春は苦笑いを浮かべ、部屋を片付けてアパートを出て、車で別荘へと戻った。
別荘に着いたのは、もう夜の11時近くだった。
卿介はもうそろそろ寝ているだろう。
仁藤心春は静かに自分の寝室の前まで歩いていった。
しかし、ドアを開けた瞬間、寝室の明かりが点いており、温井卿介が彼女のベッドに横たわっているのを見つけた。
彼女がドアを開ける音を聞いて、閉じていた切れ長の瞳がゆっくりと開き、彼女を見つめた。
「どうして...」彼女は少し驚いて言った。
「お姉さんを待っていたんです。お姉さんと一緒に寝たかったから」温井卿介は言った。
「起こしてしまってごめんなさい」仁藤心春は近づきながら言った。
「いいえ、もともと眠れていませんでした。お姉さんが帰ってこないから、眠れなかったんです」たとえベッドに彼女の香りがあっても、まだ足りない、もっと欲しい...