第325章 手術室外での争い

「どうしてここに来たの?挨拶もせずに手を出そうとするなんて?」温井卿介の声が響いた。

神谷妍音と温井文海はそこで初めて温井卿介がここにいることに気付いた。

神谷妍音は憤慨して言った。「手を離しなさい。あの小娘を殴ったところで何が悪いの?あの子がいなければ、私の息子は手術室に横たわることもなかったはず!あなたも温井家の人間でしょう。私を止めるつもりなの?」

「山本綾音を殴りたければ勝手にすればいい。でも、私の人には手を出させない!」温井卿介は冷たく言った。

そして彼の言う「私の人」とは、もちろん仁藤心春のことだった!

「彼女が自分から出しゃばって邪魔をしたのよ。殴られても自業自得でしょう!」神谷妍音は怒って言った。

温井卿介の瞳の色が一層冷たくなった。「それなら今のこともお伯母さんの自業自得ですね!」