秋山瑛真が駆けつける

秋山瑛真は入り口に立ち、その端正な顔には怒りと心配が混ざっているようだった。

「あなた……どうしてここに?」仁藤心春はしばらくして、ようやく自分の声を取り戻して言った。

「今のあなたの体調で一人旅なんて、私が安心できるわけないだろう?」彼は反問した。

彼女は言葉に詰まり、すぐに言った。「綾音には毎日電話して、私の居場所を伝えて、無事を報告すると言ったのに……」ここまで言って、彼女の声が突然止まり、つぶやくように言った。「綾音が私がここにいることを教えたの?」

彼女は自分が泊まっているホテルのことを綾音にしか話していなかった。

「ああ」秋山瑛真は素直に認め、そのまま部屋に入って、部屋の様子を見回した後、バスローブ姿で髪がまだ湿っている彼女に視線を向けた。

「今、シャワーを浴びていたのか?」彼は言った。