翌日、仁藤心春は展志ちゃんを幼稚園に入園させた。
小さな子は好奇心に満ちた目で幼稚園を見つめ、まだ何もかもがよくわからない様子だった。
心春は以前から展志ちゃんに幼稚園のことを説明し、幼稚園で起こる面白いことや楽しいことについて多くを語っていた。
幼稚園に来る前は、小さな子は好奇心と興奮でいっぱいだった。
しかし実際に幼稚園に来てみると、小さな子は緊張した様子で、母鳥の後ろをついて歩くひよこのように、小さな手で心春の手をしっかりと握りしめていた。
幼稚園の先生が心春と挨拶を交わした後、小さな子を教室に連れて行こうとした。
しかし小さな子は、小さな体を心春の後ろに隠そうとした。
心春は振り返り、しゃがんで娘に言った。「いい子でしょう?幼稚園でお友達を作りたいって言ってたでしょう?先生と一緒に教室に行けば、あなたと同じくらいの年の子がたくさんいるわ。展志ちゃんのお友達もいるはずよ。それに、ママが言ったでしょう?お昼ご飯を食べて、お昼寝をして、少し遊んだら、ママが迎えに来るって。」