一緒に実験室へ

「そうよ、兄が離婚したでしょう?娘を連れて、生活も不便だから、彼女も娘がいるし、二人の女の子なら育てやすいかなと思って、彼女と兄を引き合わせようとしたのに、彼女にはっきり断られたのよ!」ここまで言うと、松原玉音は腹が立ってきた。

関口翔一は顔色を悪くして言った。「君の兄さんみたいな人を展志お母さんに紹介しようなんて、彼女を害するようなものじゃないか?考えてみろよ、君の兄さんは外で借金まみれで、家も抵当に入れてるし、前の離婚だって賭け事が原因だったのに、今でも止める気がない!まだ賭け続けて、いつか一発逆転できると思ってるんだろう。」

こんな賭け事中毒の男と結婚したら、その人は不幸になるだけだ。

「だって、もし女性が兄を管理してくれたら、兄も良くなるかもしれないと思ったのよ!この前も、兄がまた両親にお金を要求しに行ったし、このままじゃ、両親はいつか兄に財産を使い果たされちゃうわ。」と松原玉音は言った。

「絶対に兄さんにお金を貸しちゃダメだぞ!」関口翔一は注意した。「それに、さっき展志お母さんに兄さんを紹介しようとしたって言ったけど、彼女の旦那さんの前じゃなかったよね?」

「個別に話したわよ。」と松原玉音は答えた。

関口翔一がほっとする間もなく、妻がさらに言った。「何が彼女の旦那さんよ、ただのレンタル彼氏でしょ。この展志お母さんって見栄っ張りね、わざわざイケメンの男を雇って、高級車までレンタルして、お金持ちと結婚したふりをしたいのかしら?でも考えてみなさいよ、本当のお金持ちが、こんな普通の幼稚園に子供を通わせるわけないじゃない?」

ここまで言うと、松原玉音は軽蔑したように口をゆがめた!

関口翔一は息が詰まりそうになった。「お金持ちの子供がこういう普通の幼稚園に通っちゃいけないなんて決まりはないだろう。とにかく、これからはこういうややこしいことはやめてくれ。今後子供を迎えに行って展志お母さんに会ったら、ちゃんと挨拶だけして、余計なことはするな。」

松原玉音がまだ不満を言いたそうにしていると、関口翔一はきっぱりと言った。「とにかく、展志お母さんに関わるのはやめろ。さもないと、うちも平穏ではいられなくなるぞ!」

「どうしたの?まるで展志お母さんが何か大物みたいな言い方ね!」松原玉音は不機嫌そうに言った。