第26章 自ら彼女にキスをした

これは結婚して三年目、二人が初めてこんなに親密に触れ合った。

夏目星澄は緊張と苛立ちを感じていた。

霧島冬真が突然なぜこんなことをするのか理解できなかった。

何度も力を込めて押しのけようとしたが、離すことはできなかった。

そして、彼女の上に覆いかぶさるように圧し掛かった霧島冬真は、彼女の拒絶に不満を感じたかのように、さらに激しくキスをした。

夏目星澄は息も絶え絶えになり、窒息しそうだった......

最後には霧島冬真が惜しむように彼女を離し、顎を持ち上げながら、魅惑的な声で尋ねた。「まだ怒ってるの?」

夏目星澄は顔を赤らめ、どうしていいか分からなかった。

頭の中は真っ白になっていた。

しばらくしてから、やっと彼の意図が分かった。

つまり、彼女の怒りを鎮めるためにキスをしたということ?